大学入試英語改革:スピーキング試験に備えるために今からできること
公開日 2026年4月22日
日本の大学入試における英語教育改革は、過去10年にわたって段階的に進んでいます。従来の「読む・聞く」を中心とした試験から、「話す・書く」を含む4技能評価への移行が求められており、私立大学・大学院・一部の国公立大学では独自のスピーキング試験や外部英語試験の活用がすでに始まっています。
「大学入試に英語スピーキングが必要になる」という事実に気づいた高校生や保護者が、「今から何をすれば良いか」を明確に理解するためのガイドです。
大学入試英語のスピーキング導入の現状
私立大学での外部英語試験活用
上智大学・青山学院大学・立教大学・明治大学など多数の私立大学が、英検・TOEFL・IELTSなどの外部英語試験スコアを入試で活用しています。スコアに応じた加点・英語試験の免除などの優遇措置があるため、外部試験での高スコアが入試を有利に進める手段になっています。
英検の大学入試活用
英検の2次試験(スピーキング面接)を含む総合スコアを活用する大学が増えています。英検2級・準1級のスコアを入試での英語換算点として認める大学も多く、スピーキングを含む英検対策は入試対策と直結しています。
大学独自のスピーキング試験
一部の私立大学(特に英語重視の学部・国際系学部)では、独自の英語スピーキング試験を設けています。これらは英検やTOEFLと異なる形式をとることもありますが、求められる基礎能力(流暢さ・発音・コミュニケーション力)は共通しています。
国公立大学での4技能化の動向
2020年度入試での共通テストへの外部英語試験導入は延期・見直しとなりましたが、4技能評価への方向性は変わっていません。個別大学での二次試験スピーキング導入や、外部試験活用の拡大は今後も続く見込みです。
重要な視点:大学入試英語のスピーキング化は「いつか来る改革」ではなく、すでに多くの大学で現実になっています。私立大学・英語重視学部を志望するなら、今すぐスピーキング対策を始めることが受験戦略として合理的です。
スピーキング力を高めることで得られる入試上のメリット
外部英語試験での高スコア取得
英検・TOEFL・IELTSのスピーキングセクションで高スコアを取ることで、総合スコアが向上し、大学入試での活用度が上がります。外部試験の総合スコアで英語試験免除・加点を得ている受験生は、一般試験の英語対策にかけるエネルギーを他の科目に振り向けることができます。
面接・推薦入試でのアドバンテージ
AO入試・推薦入試・総合型選抜では、英語によるグループディスカッションや個人面接が課されるケースがあります。英語スピーキング力が高い受験生は、これらの選考で明確なアドバンテージを持ちます。
入学後の英語学習への備え
大学入学後、特にグローバル系学部や理工系学部では、英語での授業・発表・レポートが求められます。受験期からスピーキング力を鍛えておくことで、大学入学後の英語学習にスムーズに移行できます。
今から始めるべきスピーキング練習
ステップ1:音読習慣の構築(全学年・今すぐ)
スピーキング力の基盤は「英語を声に出す習慣」です。学年を問わず、今すぐ始められる最も効果的な第一歩です。
実践方法:
- 学校の英語教科書を毎日1〜2ページ音読する
- NHK World Newsなど短い英語ニュースを音読する
- 英検の過去問のリーディングパッセージを声に出して読む
音読は「英語の音とリズムを体に入れる」ためのトレーニングです。毎日10〜15分の音読を習慣にするだけで、3〜4ヶ月後には発音・流暢さが明らかに変わります。
ステップ2:シャドーイング(高校1年〜)
シャドーイングは英語音声を聞きながら同時に声に出して追う練習です。英語のリズム・イントネーションを体で学べるため、スピーキング全般の基盤強化に最も効果的な方法です。
推奨素材:
- NHK World Radio Japan(英語放送)
- VOA Learning English(ゆっくりめの英語ニュース)
- 英検準2級・2級のリスニング音声
毎日10〜15分、同じ音声素材を3〜5回繰り返すことで、約1ヶ月でリズムの変化を実感できます。
ステップ3:外部試験対策の並行(高校2年〜)
英検・TOEFL・IELTSのスピーキングセクション対策を、高校2年生から本格的に開始することを推奨します。
目標設定の目安:
| 試験 | 目標スコア/級 | 入試活用できる主な大学群 |
|---|---|---|
| 英検 | 準2級〜2級 | 多くの私立大学(加点・優遇) |
| 英検 | 準1級 | 上位私立・一部国公立(優遇・免除) |
| TOEFL iBT | 60〜80点 | 中堅〜上位私立大学 |
| IELTS | 5.5〜6.5 | 国際系学部・留学希望者 |
高校2年生の間に英検2級スピーキングを仕上げ、高校3年生で準1級に挑戦するのが王道のルートです。
ステップ4:意見述べ・ディスカッション練習(高校3年〜)
AO入試・英語面接・推薦入試を視野に入れる場合、「英語で意見を述べる」練習が必要です。
日常的にできる練習:
- 時事問題(環境・テクノロジー・教育)について1分間英語で意見を述べ、録音する
- 英語でのYouTubeコメント・SNS投稿を英語で考える習慣をつける
- オンライン英会話で毎月1〜2回、意見交換の練習をする
よくある質問
大学入試でスピーキングが必要ない場合も練習すべきですか?
はい、すべきです。理由は3つあります。①スピーキング力が高い受験生は他のスキルも向上している傾向があること、②大学入学後の英語学習・留学・就活で必ず活きること、③受験期間中に外部試験でスコアを取得しておくと、大学進学後も証明書として活用できることです。
英語の成績は普通ですが、スピーキングの勉強を始めるべきですか?
はい、むしろ英語の基礎が普通であればあるほど、音読習慣から始めることで英語全体の成績も向上します。スピーキング対策は英語4技能を底上げする効果があるため、入試の筆記対策にもプラスの影響があります。
独学でスピーキングを伸ばすことは可能ですか?
十分可能です。音読・シャドーイング・英検の過去問練習・録音と聞き直しのフィードバックループを毎日続ければ、英会話スクールなしでも着実にスピーキング力は向上します。月に1〜2回のオンライン英会話セッション(特に英検面接対策用)を補助的に使うと効果が高まります。
大学入試英語のスピーキング化は、日本の教育の大きな転換点です。この変化をいち早く認識し、音読習慣とシャドーイングを今から積み上げることが、受験でも大学生活でも圧倒的なアドバンテージになります。高校生のうちに「英語を声に出す習慣」を作ることは、一生の財産です。
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